薬とよく比較されるのが健康食品ですが、こちらは基本的には人の体に
必要な栄養成分を補助する目的で作られた栄養補助食品が大部分で、食
事のバランスが取れずに不足したり過剰摂取した栄養素を調整して体調
を整えるようにしたものです。薬のように直接的には症状に作用する事
はありませんが人間の自然治癒力に沿った免疫力、内分泌(ホルモン・
酵素 )、自律神経を調整して体調を正常な状態に保ったり、修復した
りする目的があります。
普通の食品から直接必要量の栄養素を取ろうとすればかなりの量を食し
なければ不可能だとすると、健康食品は目的に応じた栄養素を少量で効
率よく取れるという利点があります。
よく商品を薦めるときに特定の病気に効くような事で薬と同じような錯
覚を起こさせる薦め方をする人がいますが、薬と違って健康食品には効
能、効果の作用基序や用法、用量などはありません。
先ほど述べましたように病気の原因となる基本的な人の働き(免疫力、
内分泌、自律神経)を正す目的で摂取するもので、その結果として症状
が改善されると言う事になります。
ただ薬と違って強制力はありませんので副作用というのは無いといって
も良いでしょう。しかしながら別の問題もないとはいえません。
一つは副作用の心配が無いからといって過剰な摂取は食べ過ぎと同じで
栄養素としても過剰になり消化管や肝臓・腎臓などに余計な負担をかけ
る恐れもあります。
もう一つの問題としては、実は私たちの消化管には腸内細菌と呼ばれる
100種~400種100兆個もの微生物がいて私たちが摂取する食物の栄養素
を横取りして生存し、代わりに私たちの体に必要なたくさんの生理活性
物質を発酵生産させるという共生が行われている訳ですが、最近のサプ
リメントは効率よくより吸収を高める為に様々な工夫がなされていて、
腸内細菌の働きが無くても直接的に酵素やペプチドを体に取り入れる事
が出来る反面、分解・発酵に必要の無い腸内細菌は自然淘汰されてしま
い腸内細菌叢(フローラ )のバランスを壊す事も考えられます。
腸内細菌は私たちの免疫・内分泌・自律神経にも大切な役割を持ってい
ますので、ただ単に栄養素を補うという考えだけでは良くないのではと
思われます。現に最近の子供の腸内細菌は私たち大人の腸内細菌に比
べ、明らかに種類も数も少ないと言う事が研究者の意見にあります。
その事は代謝機能にも大いに影響があり、アレルギーや感染症とも深い
関係があるようです。
よく健康食品と薬を混同して考えている人がいますが、少し誤解があり
ますのでここでもう一度整理しましょう。健康食品は薬とは根本的に役
割が違います。
薬は症状を限定して強制的に修正する目的で作られていますので、作用
効果もある代わりに副作用の心配も伴います。
健康食品は人の自然治癒力(ホメオスタシス)に関わる免疫やホルモ
ン・酵素、自律神経に影響を与える成分を供給する事により、体の機能
や器質を改善するというものですから直接病気に働きかけるのではなく
機能・器質を整える事で結果的に症状が改善するという事です。
よく糖尿病にも効くし、がんにも効く、高血圧やアレルギーにも効果が
あるなんてまるで万能薬みたいな言い方をして進める人がいますが、あ
くまでも食生活の延長上の働きだと考えて過剰な期待は慎むべきだと思
います。
健康食品の効果については人の体験を参考にする事が多いようですがこ
れもあまりあてにはなりません。食事に好き嫌いがあったり、体質によ
っては受け付けないものがあったりするのと同じで、一つの食品が万人
に合うという事はありえません。
人によって効果があったりなかったり、実際は自分で確かめる以外には
はっきりした答えは出ません。
ある程度の期間試してみて結果が良ければそれは自分に合った健康食品
として継続する事をお勧めします。